投稿日:2023年9月1日 | 最終更新日:2023年9月12日
目次
道路占用許可とは
道路使用許可と道路占用許可の違い
道路占用許可が必要なケース
道路占用許可NGのよくある例
道路占用許可申請に必要な書類とは?
道路占用許可申請手続きの流れ
道路占用許可は最短何日で取れる?
道路占用許可申請先はどこ?
道路占用許可取得にかかる費用は?
工事着手届・工事完了届(竣工届)とは?
よくある注意点
お問い合わせ
道路占用許可とは
道路占用許可とは、一言で言うと道路の一部を占用する際に必要となる許可となります。「道路上や上空、地下に一定の工作物、物件又は施設を設け、道路の空間を独占的・継続的に使用すること」を道路の占用と言います。一般的には、足場や朝顔の設置、袖看板の設置などで取得するケースが多いです。道路を占用する場合には、事前に道路管理者への許可が必要となります。但し、道路占用許可を得ることができるのは、道路占用を許可しても公益に反さないものに限られます。この記事では、道路占用許可の取得に必要な情報を解説しています。
道路使用許可と道路占用許可の違い
勘違いされやすいのですが、道路使用許可と道路占用許可は全く別の許可となります。道路の使用に関連していますが異なる許可なので混同しないように注意しましょう。
道路使用許可は、
道路上で一定の作業等をするために必要な許可です。例えば、道路上で工事車両の駐車や建設工事、イベントなどを行う際に必要となります。
道路占用許可は、
道路上に一時的に設置物を配置するために必要な許可です。足場設置許可と呼ばれる方もいらっしゃいます。例えば、道路上に工事用の仮設足場を設置したり、機械等を設置する場合に道路占用許可が必要となります。道路占用許可を取得する際は、道路使用許可と同時に取得が必要となります。
道路占用許可が必要なケース
道路占用許可が必要なケースは以下となります。
・建築工事で道路上にはみ出して足場を設置する(敷地内に収まる足場を設置する際には必要ありません)
・道路上に標識、電柱、ポスト、広告塔等を設置する
・道路上空に袖看板を設置する
・路上イベント等で道路上に物を設置する
・水管、下水道管、ガス管などを設置する
内容によっては道路占用許可が下りない場合もありますので、事前に道路管理者へ相談してみると良いでしょう。
相談先は後述の「道路占用許可の申請先はどこ?」で記載しています。
道路占用許可NGのよくある例
道路占用許可がおりないよくある例は以下となります。
・道路上にのぼり、自動販売機、置看板、立て看板等を設置したい
・営業時間中に道路上へ棚を置いて商品を販売したい
・デジタルサイネージ(ロゴのLEDライト)を道路上に投影したい
・店前が混むので道路上にお客様が座る用の椅子を置きたい
こういった例や、都道府県で定める許可基準に該当しない物件は占用許可がおりません。
飲食事業者様から「置看板を設置したい」「お店のロゴを店前道路に投影したい」「道路上にキッチンカーを設置して販売したい」等のお問い合わせをいただくケースが最近増えておりますが、基本的に許可はおりません。
道路占用許可申請に必要な書類とは?
一般的に道路占用許可申請に必要な書類は下記となります。
・道路占用許可申請書
・各種図面(位置図、平面図、立面図、断面図、保安図、他)
・道路使用許可申請書類一式
※占用内容によってはこの他の書類を求められる場合があります。
道路占用許可申請手続きの流れ
道路占用許可申請の基本的な流れは下記となります。
①道路占用内容(占用物、占用日程、占用面積等)確定
②現場測量
③書類、図面作成
④役所での事前協議・仮受付
⑤警察署へ道路使用許可申請
⑥道路使用許可証の受取
⑦役所にて道路占用許可の本申請
⑧道路占用料の納付
⑨道路占用許可証の受取
※複数の道路管理者に申請が必要な場合はこの限りではありません。
※地域によって申請の流れが前後する場合があります。
道路占用許可は最短何日で取れる?
役所の混雑具合によって左右されます。申請後、早い場合は数日で許可がおりる事もありますが、混んでいると2週間程かかる事もあります。
一から申請される場合には、道路使用許可で約1週間、道路占用許可で約2週間程度を目安にすると良いかもしれません。
道路占用許可の申請先はどこ?
占用する道路によって申請先が異なります。
【国道】国土交通省が設置している国道事務所
【都道府県道】都道府県の土木事務所等
【市区町村道】市区町村役場
※一部の国道は委託を受けた都道府県が管理している場合があります。
複数の道路にまたがった占用の場合(都道+区道など)はそれぞれの道路管理者に道路占用許可申請が必要です。
道路占用許可取得にかかる費用は?
道路占用許可は申請自体に費用はかかりませんが、許可を受けた場合に道路占用料の納付が必要となります。
道路占用料は条例によって定められており、自治体および占用物・占用面積・占用期間によって金額が変わってきます。
一例ですが、江戸川区では下記となります。
<1㎡あたり年額>
突出看板 13,440円(減免後の単価)※2㎡まで占用料免除
日よけ 3,270円(減免後の単価)
工事用足場 23,400円
朝顔 8,640円
※年額なので、1ヶ月占用する場合はこの金額に1/12をかけて求めます。
※日割りは無く月額計算としている場合が多いですが、自治体によって算出方法が異なりますのでご注意下さい。
工事着手届・工事完了届(竣工届)とは
道路工事を行うにあたって、工事着手届・工事完了届(竣工届)が求められる場合があります。
こちらは「道路法24条による自費工事申請や、足場・仮囲いなどの道路占用、沿道掘削や建築工事など道路に影響を及ぼすおそれのある工事」を行う場合に提出が必要な書類です。提出先は道路管理者となり、前提条件として道路占用許可を受けている方となります。自治体によっては必要な場合とそうでない場合がありますので、道路占用許可の申請時に確認してみてください。
工事着手届のフォーマットも自治体によって異なりますが、概ね以下の内容を届け出ます。
・道路占用許可番号
・工事の目的
・施工場所
・工事期間
・施工業者名、代表者名、担当者名、連絡先
・現場監督の名前、連絡先
※自治体によって工事の何日前までに要提出と決まっている場合がありますのでご確認下さい。
工事完了届(竣工届)については、足場の場合は主に下記を届け出ます。
・足場設置前の道路写真
・足場設置中の道路写真
・足場解体後の道路写真
※工事完了後に提出する書類です。こちらの書類で道路占用(工事)によって該当道路に破損等が無いかが確認されます。
万が一道路に破損等がある場合は施行者が責任をもって原状回復を行う必要が出てきます。
よくある注意点
土地区画整理事業地区内の足場設置
土地区画整理事業地区内では、土地区画整理法第76条第1項の規定に基づき建築行為等が制限されています。
足場等の工作物を設置する場合には、東京都知事または特別区長の許可(土地区画整理法第76条許可申請)が必要となります。
複数の管轄道路に跨る道路占用許可
例えば、国道+都道にまたがって足場を設置する場合などですが、道路境界を調べて各々の占用面積を計算して図面を作成する必要があります。その為、書類の作成や手続きが非常に煩雑となり大幅に時間がかかります。日程に長めの余裕を持って申請準備をすすめる事をオススメいたします。
当センターへも「途中まで進めましたが、このままでは間に合わないので自分で申請する事は諦めました」という依頼がよくあります。
労基署へ機械等設置届の提出が必要なケースにご注意下さい
足場の高さが10mを超え、組立から解体まで60日以上を要する場合には、設置の30日前までに労働基準監督署へ機械等設置届の提出が必要となります。
工事の元請け業者が提出する必要がある点にご注意ください。